2018年2月1日木曜日

ご挨拶|身体呼吸道とは

1978年ころアメリカで頭蓋療法Craniopathyに関心をもってから、それ以来ずっと身体の息吹ともいえる身体内部の圧変動を感じるままに探求してきました。その過程で、日本人的な感性からハラ呼吸を意識するようになり、能の息遣い、居合のハラの据え方などを習いながら、ハラ呼吸のメカニズムを身体感覚的に解明してきました。

また、本場の頭蓋療法に関しては、その仕組みを実際に測定観察している研究はほとんどなかったため、帰国後、実際に測定機器を考案し、100名ほどの方々の頭蓋の内圧変動を測定解析してきました。そうした研究活動から数十年経てようやく2016年に、ハラ呼吸の内圧変動と頭蓋の内圧変動の関連性を理解することができました。

こうした歩みを振り返ったとき、身体呼吸を探る施術と研究活動は、一つの道として続いてきていることを実感します。

一つのテーマを追い求める生き方は、"道"になってくるのです。

そうした意味合いから、身体呼吸 道としてこのブログを設けることにしました。

東洋と西洋の考え方と融合

人間は二足歩行によって飛躍的に進化してきました。重力下で垂直に身体を維持することが特徴です。

欧米では頭が天に引っ張られるような意識で姿勢を保つという身体感があります。クラシックダンスのように空中に高く跳躍する動きを可能にしています。またオペラの発声方法に、頭も共鳴ボックスにして頭部から声を響かせることができるそうです。
一方、日本ではハラを充実させ重心を据える身体感覚が伝統的に重んじられてきました。能の動きと息の遣いかたにそれがよくあらわれています。私も50代のころから居合と能の謡を習ってきましたが、腰を入れハラを据えた姿勢がいかに重要か、身に持って体験しています。

頭を中心に据えるか、ハラを中心に据えるか、西洋と日本の身体感を特徴づけているように思えます。このことは身体の呼吸のとらえたかにも反映してきます。

アメリカのDr.サザランドの古典的な頭蓋療法は、脳室で産生される脳脊髄液の揺らぎとその循環を促進する方法にエッセンスがあります。一見、硬く見える頭蓋にも弾力的な膨張収縮の動きが必要とされます。頭蓋は複雑な形をした頭蓋骨と顔面骨が巧妙な縫合のしかたで組み合わさってできています。その縫合のあり様をよく観察すると、ある動きのためにデザインされているというDr.サザランドの閃きをだれでも持つことができるはずです。

実際に触れていますと、頭蓋も脳も呼吸運動をしていることが実感できます。赤ん坊の頭に触れてみれば、だれでもわかります。

さて、ハラに中心を据える日本人的な発想から身体呼吸療法を考え始めたわけでもないのですが、うつ伏せになっている患者さんの身体を触れていると、仙骨と第五腰椎部が呼吸によって起き上がり、そして沈み込むという動きをみせます。横隔膜の呼吸運動によって押し下げられた内圧は骨盤隔膜の抵抗にあって、仙骨底を押し上げる力となっていることに気づいたことから始まっています。身体の呼吸を促しているのは横隔膜の呼吸運動であり、それは眠りに入っているときに大きくあらわれることに注目したのです。横隔膜の深い呼吸運動は、骨盤隔膜のテンションとの間に凝縮された力動性の核(ハラ)が生じるとみなしたのです。そのハラの力動性が全身の内圧変動の源泉になっていると考えているのです。

居合や、能の謡でハラを据えた姿勢になるためには、十分に腰を入れる必要があります。これはなかなか身につかない姿勢なのですが、下腹が前下方に押し下げる姿勢です。この姿勢を維持するとなると、ハラに充実感(前述の核にあたります)を保ち続けなければなりません。それが弛むとき息が抜けてしまいますので、これを維持し続けるのは結構たいへんなことです。それでも、このときは決して力んだ姿勢にはなってはおらず、自然に肩の力が抜けています。全身の重心がハラに定まった状態ですから、そこを中心に全身が一つとして動くことができるのです。
能の謡であれば、できるだけ息を漏らさないようにします。長く力強く、身体の内部に発声を響かすためです。いわば身体をスピーカーボックスのようにして、音響施設がなくとも、あの広い空間に響かすことができるのです。「さしすせそ」のような子音が強くなる発声には息が出てしまいますので、たとえば“さ”のときにはsAのようにsをほとんど発声せず、A(ア)の母音を強調する発声になります。ほかにいろいろと、ハラを前に押し出すような力動感など難しいところがあるのですが、言葉ではなかなか伝えきれません。身体で覚えてゆく感覚です。このように姿勢と息遣いが一つになった身体感覚です。

私が創めた身体呼吸療法は、Dr.サザランド先生の古典的な頭蓋療法に、ハラ呼吸による縦方向の呼吸運動を融合させた施術方法となります。患者さんのハラ呼吸はうつ伏せで寝てもらって、その律動感さえつかまえてしまえば、自然に大きくあらわれてきます。
患者さんの中にはなかなかそのリズムをつかまえることが困難なこともあるのですが、その理由についてはまたいつかお話しします。

2018年1月11日木曜日

【健康を見つけた方々】鬱や、顎関節症でもそうですが、心身の異常をきたしている患者さんには、脳の活動にめりはりを与えること(脳のデフォルト・モード・ネットワーク)が大事なように思えます。

外界から刺激が無くても、本来の脳に内在する自発的な活動をおこなっているネットワークをデフォルト・モード・ネットワークと呼びます。このネットワークは目を閉じてぼんやりとしているときに活動していますが、意識的に集中して課題をこなしているときには、そのための大脳皮質の活動に道をゆずるかたちで、デフォルト・モード・ネットワークの活動は低下します。

私たちの脳の活動は意識的に外に向かって集中してはたらいていることが多いのですが、その一方で内向きにはたらいている脳のネットワークもあり、たがいに脳の活動を一緒に支えています。ところが一方が活動しているときには他方のネットワークの血液の供給が低下するという具合に、めりはりがあるのです。ところが、外に向かってはたらくネットワークの活動が休むことがなくなると、脳の活動にめりはりがなくなるようなのです。そうしますと脳のはたらきは混乱してしまいます。それがさまざまな不定愁訴となって全身にあらわれくると思うのです。鬱の状態ではこうしためりはりがみられないことがわかっています。脳の異なるネットワークの間に、めりはりをつけることが必要だと考えています。

瞑想は、自己を鑑みることで思考や感情をコントロールし、「今ここにある」ことに集中できるようなデフォルト・モード・ネットワークになっているとあります。これをヒントにデフォルト・モード・ネットワークに導く方法を考案しています。

デフォルトモードネットワークについて詳しく知りたい方
http://obahiroshi.jugem.jp/?eid=130
http://obahiroshi.jugem.jp/?eid=131


>> 大場徒手医学療法室ホームページへ

【健康を見つけた方々】顎関節症は全身に障害をおよぼします。

顎関節症から自律神経失調になることは全身咬合学会のテーマとなっているほどです。
顎関節の咬む運動は第1-2頸椎を支点としています。したがって頸椎に異常があっても、あるいは歯の噛み合わせに問題があっても、全身に障害を引き起こしてゆきます。歯はたいへん敏感な器官ですから、その違和感にたいへんなストレスとなり心身の変調をきたすことが少なくありません。
頭蓋-顎-頸椎それに土台となる胸郭を一つのまとまりとしてみて、さらに全身的にバランスをはかることが必要です。歯の噛み合わせはなめらかな曲線(アランの咬合円)を描くことが知られています。それが脊柱の前後の彎曲のかたちに影響するようです。機能神経学的に考えてみても、顎関節は頭位のバランスに関わり、姿勢を制御するしくみ(神経機構)にも関与してきますので、咀嚼筋の緊張は頸筋や起立筋の緊張へと関連してきます。実際に咀嚼筋に触れるだけで反射的に頸筋の緊張バランスが変わります。


>> 大場徒手医学療法室ホームページへ

【健康を見つけた方々】ストレスからくびの痛みが・・・|くびを動かせず苦痛に歪む歯科医の先生を例に

歯科医の先生方が訴える障害、頸の痛み/腰の痛みは治療中の姿勢からきています。それに一日何十人と神経を集中させながらの細かな仕事は、脳に過剰な負担をかけているところがあります。くびが動かせなくなったと来院される歯科医の先生方、首から肩への筋肉の緊張はとてもとても揉みほごせるものではありません。脳の中で異常に興奮している神経細胞があるからです。それをどのようにして速やかに興奮をおさめることができるか、それはやはり脳の呼吸運動を通してバランスをはかる方法しかないように思えます。
歯科医の先生方だけでなく、ストレスのためにくびの異常な緊張に悩んでおられる患者さん方も同様です。全身を通して身体の深い呼吸を引き出し、そして脳の呼吸運動へと導く操作で寛解させることができます。施術に1時間近くがかかってしまうことがありますが、寛解させるために必要な時間です。

>> 大場徒手医学療法室ホームページへ

【健康を見つけた方々】咽頭異物感、嚥下時の違和感、鼻と耳にも違和感、治療家自身が不定愁訴の苦しみに

45歳の男性、岡山ではばひろく活躍している先生、“死にそうなくらいつらく苦しい”とやってこられました。パニック障害に似た強い不安感に陥っていました。
海外からの講師がおこなうセミナーには欠かすことはなく参加され、医学知識やさまざまなテクニックに精通した専門家です。セミナーでテクニックのデモとして施術を受けたりしているうちに、頸に手をそえられただけで苦しくなってしまう状況になったといいます。
本人が納得できるように神経検査から大脳機能のバランスをはかることを前面に出し、身体呼吸療法でとにかく安定した状況を引き出すようにしました。脳の安定したはたらきには、なによりも酸素供給が必要であり、そのために脳そのもの呼吸運動を促進する身体呼吸療法が決め手となりました。


>> 大場徒手医学療法室ホームページへ

2018年1月10日水曜日

【健康を見つけた方々】ご主人の腰痛治療からはじまり、家族の健康管理へ

ご主人は53歳の会社員、腰痛や頸痛のため、名古屋の伊藤彰洋DCのご紹介で来院。仕事上の疲労から背筋のかたく緊張していることが問題でした。身体呼吸療法では身体の奥深く息づく呼吸(律動性)を引き出し、身心を弛めます。月になんどか健康維持のためにいらしてます。
高校生の息子さんを連れてきました。朝起きられず登校困難になっているということでした。起立性低血圧のような調節障害のように思われましたので、機能神経学的に小脳機能のバランスをとることを試みました。お兄さんからの良いアドバイス(刺激)もあり、1ヶ月ほどで朝の登校ができるようになりました。
忘れていたのですが、私に足を鍛えるような運動を勧められたということで、陸上部に入って競技に励み県大会へ出るほどになっていることをお母さんが報告してくれました。なにげないアドバイスが思いがけない力になっていました。
あるとき、お母さんがめまいを訴えてご主人に付き添われて来ました。もともとメニエール症候があったとのこと。このときは眼振もなく、めまい感におそわれていました。いろいろな不定愁訴があり、頭の圧迫感、くびの違和感、息苦しさ、動悸、耳鳴りなどいろいろでした。数ヶ月前には顔面神経麻痺で治療を受けていたとのことでしたが、右顎関節での噛みしめが強く、首の付け根の上頸部に重くしめつけられる状況が続いていました。身心を弛める身体呼吸と、匂いの刺激を使い機能神経学的に脳のバランスを整えることですっかり元気になりました。


>> 大場徒手医学療法室ホームページへ


ご挨拶|身体呼吸道とは

1978年ころアメリカで頭蓋療法Craniopathyに関心をもってから、それ以来ずっと身体の息吹ともいえる身体内部の圧変動を感じるままに探求してきました。その過程で、日本人的な感性からハラ呼吸を意識するようになり、能の息遣い、居合のハラの据え方などを習いながら、ハラ呼吸のメカニ...